アルコール依存症はどんな病気?

アルコール依存症とは、アルコールによって病的な変化が身体に起こり、そのためにアルコールを過剰に飲み、自分自身で調節がつかなくなってしまう病気です。そのため、身体的、精神的、家族的、社会的問題が生じてきます。アルコール依存症は、意志が弱いとか道徳感が低いからとか、家庭環境が悪いとか社会的問題で生じるのではありません。

●アルコール依存症は慢性で進行性の病気
調節のきかない飲酒行動は、現在の医学では治すことはできません。何ヶ月間、何年間もアルコールを断っていても、再飲酒によって元の調節のきかない飲酒状態にもどってしまいます。このように断酒を続けていても些細なきっかけで再飲酒しやすく、元にもどりやすいのが特徴です。
飲酒行動は段々と自分の意志で調節できなくなります。それに伴い、身体的・精神的・社会的・経済的状態が悪化していき、依存状態になると、飲酒を続ける限り問題が深刻となっていきます。

●アルコール依存症は人格の変化を引き起こす病気
過剰な飲酒行動がアルコール依存症という病気のために生じていると気づかない場合、自分自身の飲酒行為やそれによって生じたさまざまな問題を他人の責任にしたりするようになり、その結果、わがままで自己中心的な他罰的性格傾向が強まります。反面、自分自身を責めたり、後悔が強まり、不安・孤独から自殺をはかることもあります。

●アルコール依存症は放置しておくと死に至る病気
アルコール依存症は、アルコールを断たない限り、慢性に進行性に悪化していき、さまざまな身体合併症、事故、自殺などで死亡する人が多い病気です。

●アルコール依存症は家族も巻き込み病気にする
アルコール依存症者の家族は、患者の飲酒を止めさせることばかり考えて生活しています。これは、逆に、アルコール依存症者の症状を悪化させます。更に、家族全体の健康的な生活を犠牲にしてしまいます。その結果、アルコール依存症者の家族がノイローゼになり精神科を受診したり、子供が不登校になったり、情緒不安定で問題行動を引き 起こしたりすることがあります。家族が思いつめてアルコール依存症者を殺してしまう という事件が起きたりします。

最近では、幼少期にアルコール依存症者のいる家庭で育てられた子供は、大人になっても社会生活に支障を来すような人格(AC=アダルト・チルドレン)が形成されると言われています。

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